漢検1級模擬テスト③の答え
♢難易度☆☆☆(普通)
①読み(1~20は音読み、21~30は訓読み)
♢難易度☆☆☆
- 弭兵…ビヘイ(戦争を辞めること)
- 孑然…ケツゼン・ゲツゼン(孤独なさま。)
- ☆迹門…シャクモン(法華経二八品の中で序品ジョボンから安楽行品までの前半一四品のこと⇄本門)
- 阨峡…あいきょう(山などが迫って土地が狭く、高くなっている所)
- 斫刈…しゃくがい(斬り殺すこと、斬殺)
- 岌岌…きゅうきゅう(①山が高く険しいさま ②見るからに危険なさま)
- 梵砌…ぼんぜい(寺院の境内)
- ☆焼畬…しょうしゃ(焼け野原?)
- ☆丫鬟…あかん(あげまきを結った髪、またその少女)
- ○窘迫…きんぱく(敵に追い詰められ苦しむこと)
- 鷁首…げきしゅ(②水除けの為に、ゲキの頭の形を船首に刻んだり画いたりした船。「竜頭鷁首」)
- 岑嵒…しんがん(高く険しいさま)
- 萵苣…わきょ(ちしゃのこと)
- ☆罟汕…しんさん(あみで掬うこと?)
- 騁望…ていぼう(楽しんで見物すること)
- ○磬折…けいせつ(体を深く曲げて礼をすること)
- 馳鶩…ちぶ(速く走ること)
- ○山茱萸…さんしゅゆ(ミズキ科の落葉小高木。秋珊瑚、春黄金花)
- 蝴蝶…こちょう(胡蝶に同じ)
- ☆熊臑…ゆうどう(熊の前肢の柔らかい肉)
- 躄魚…いざりうお
- 樛がる…ま-がる
- 莨の生産量世界一は…たばこ
- 螫す…さ-す(毒虫が針を突き刺す)
- 奠る…まつ-る
- 髱…たぼ(日本髪で、後ろに張り出している部分)
- ○鐺…こじり(刀の鞘の先端、また、その飾りの金具)
- 岫…くき(山にある洞穴、岩穴)
- ☆潦…にわたずみ(雨が降って路上や庭に溜まった水。)
- ☆祺らか…やす-らか
斫…き-る
丫…あげまき(総角)
罟…あみ
臑…ドウ、ジュ、ジ、やわ-らか、に-る、すね
・弭兵…類:休戦、洗兵(弭める→や-める)
・弭→ゆはず(弓の両端にある弓弦をかけるところ。弓弭、弓筈とも書く。)
・弭巻→はずまき(弭に巻いてある籐トウ。)
・迹は「セキ」と読むのが殆どだが、迹門の時は「シャク」と読むので注意
他に
景迹→キョウジャク(人の行い。推察すること。)
・畬…ヨ、シャ、あらた、やきはた
①あらた→ヨ「畬田」
②やきはた→シャ「焼畬」
・阨
①狭い、また狭く険しい→アイ「阨峡、嶮阨」
(阨い…せま-い)
②塞がる、苦しむ→ヤク「阨困、窮阨」
(阨がる…ふさ-がる、阨しむ…くる-しむ)
・窘…キン、たしな-める、きわ-まる、くる-しむ、せ-まる、あやただ-しい
a,窘窮→くる-しむ、きわ-まる、
b,窘迫→くる-しむ、せ-まる
・鶩
①あひる→ボク「鶩列」
②駆けるさま→ブ「馳鶩」
・樛…キュウ、つが、とが、ま-がる、まつ-わる、めぐ-る
a,樛木(きゅうぼく)→ま-がる
似た字で「摎」もある。
こちらもキュウ、コウ、まつ-わると読み、似ているが特に熟語は見当たらない。
・毛莨…うまのあしがた
・奠…テン、まつ-る、そな-える、さだ-める
a,奠茶(てんちゃ)…仏前や霊前に茶を供えること。
b,奠都(てんと)…都をある地に定めること。
c,御香奠(ごこうでん)…お香を捧げ、お供えをする。
d,釈奠(せきてん)…孔子および儒教における先哲を先師・先聖として祀る儀式のこと。
e,奠稲(くましね)…神仏に供える、洗い清めた米。
・潦…ロウ、にわたずみ、ながあめ
a,旱潦(かんろう)…日照りと霖(ながあめ)。
b,霖潦(りんろう)…ながあめ。
c,潦水(ろうすい)…①にわたずみに同じ。 ②大水。
・祺…キ、さいわ-い、やす-らか
①祺祥→さいわ-い
②祺然→やす-らか
②書き(19,20は国字)
難易度☆☆☆
1,ヒセキの心(準一級)
→匪石の心(心や志が堅固であることの例え)
2,イアク
→帷幄(②作戦を練る場所、大将の陣営。帷帳。)
3,カサイ列島
→花綵列島(島々の連なりを花綵ハナヅナに例えた呼び名、日本列島、アリューシャン列島など)
4,トウムシロ
→籐蓆、籐筵(籐の茎を編んだむしろ、夏の敷物に使われる。)
5,ブコク罪
→誣告罪(他人を陥れる為、故意に偽った事実を告げる虚偽告訴の罪。≒讒謗)
6,カイシュン
→悔悛(キリスト教で過去の罪を神に告げ、許しを得ること。)
7,テンテツ機
→転轍機(後述。)
8,ホウレン
→鳳輦(屋根に金色の鳳凰を付けた神輿、鸞輿ランヨ、また天子の乗り物。)
9,ブアイ
→蕪穢(雑草などが生い茂って土地が荒れていること。ブワイとも。)
10,ソクシュウ☆
→束脩(入学・入門の際に弟子、生徒が師匠に納めた金銭や飲食物。)
11,カンレイシャ
→寒冷紗(カーテンや造花などに用いる目が粗く、極めて薄く織った綿布や麻布。)
12,カジカむ
→悴む
13,クユらす
→燻・薫・熏らす(煙を緩やかに立ち昇らせる。)
14,キョウトウホ
→橋頭堡(事に着手するときの足がかり。川や海を渡った敵地に作る上陸地点。)
15,センセン☆
→濺濺(流れる水の速いさま。)
16,センセン
→煽煽(火炎の勢いがあるさま。)
17,シシュ
→錙銖(僅かなこと、ごく小さいこと。類:秋毫)
18,シシュ☆
→諮諏(問い尋ねて相談すること。)
19,シンシ
→籡(反物を洗ったり染めたりするとき、布をひめゆと張らせて縮まないようにする竹製の串。伸子とも書く。)
20, 緋オドシ
→緋縅(「縅の意味を説明」鎧の札サネを革や糸で綴り合わせること、またそのもの。)
・ヒセキ
- 匪石の心…上記参照。
- 丕績…大きな手柄や実績。
- 肥瘠…肥えていることと、瘠せていること。肥痩。
- 非斥…非難し排斥すること。
- 秘跡・秘蹟…サクラメント(キリストによって定められた神の恩恵を信徒に与える儀式、洗礼や聖餐など。)
キリスト→基督
・籌を帷幄に運らし、勝ちを千里の外に決す
計画や戦術の巧妙なこと。
籌→はかりごと
運らし→めぐ-らし
・帷幄に参ずる
軍事上の機密の相談に加わる。
・帷幄の臣
参謀のこと。
・帷幄上奏
君主制国家において、帷幄機関である軍部が君主に軍事事項を上奏すること。
・カサイ
鰥寡…四字熟語の欄で説明。
・カイシュン
- 悔悛…上記参照。
- 改悛…自分の行いや態度を反省し、心を入れ替えること。
- 回春…①若返ること。 ②病気が治ること。 ③新年になること、春が巡ってくること。
- 懐春…年頃になって色気付くこと。
「回春」は語選択、対義語・類義語で出てくると厄介そうです。
①②両方しっかり覚えておきたいです。
・テンテツ
- 転轍機…鉄道の分岐線かま分かれ始める所にある、日本のレールの向きを変える装置
- 点綴…(てんていの慣用読み)点を打ったように散らばっていること。
・ホウレン
- 鳳輦…上記参照。
- 菠薐草…野菜。法蓮草、鳳蓮草とも。
・燻べる(ふす)…色んな意味があります(面倒なので書きません←)
・センセン
- 専占…自分ひとりでも専有すること≒壟断
- 専擅…ほしいままに振る舞うこと
- 閃閃…①輝くさま ②閃き動くさま
- 戦戦…恐れおののくさま
- 潺潺…水がさらさらと流れるさま
- 煽煽…火炎の勢いがあるさま
- 濺濺…流れる水の速いさま
・ヒオドシ→緋縅、緋威、火縅、氷魚縅
③選択
♢難易度☆☆
- 物事の多く寄り集まる所→淵藪・淵叢
- 下品で田舎びていること→鄙野
- 天の法則→乾綱
- 人として守るべき不変の道→彝倫
- 賢者が死ぬこと→易簀
イリン/イシュウ/エキサク/エンソウ/
ケンコウ/シンショウ/テンケン/ヒヤ
♢彝倫→人として守るべき不変の道。
♢蝟集…ハリネズミの毛のように多くのものが一時に寄り集まること。
♢彙集……同類のものを集めること。
♢意執…ある考えに固執すること。
♢易簀…賢者が死ぬこと。
♢神漿…神に供える飲み物、神から授かった霊験ある飲み物。
♢震慴…震え恐れること
♢天眷…天子の恩、天帝の恵み。⇄天譴(同音異義語で対義語とのこと。)
♢天譴…天罰。類:罪報、冥罰など。
④四字熟語
♢難易度☆☆☆
- (璞玉)渾金
- (鰥寡)孤独
- (晏嬰)狐裘
- (鳧趨)雀躍
- (磨揉)遷革☆
- 沐浴(斎戒)
- 稲麻(竹葦)
- 鼓舌(揺脣)
- 家鶏(野雉)
- 越俎(代庖)
あんえい/かんか/さいかい/
だいほう/ちくま/はくぎょく/
ふすう/まじゅう/ようしん/やち
- 人の素質が優れていて飾り気のないこと。璞…あらたま
- 寄るものもなく1人で寂しい。
- 高い身分にありながら倹約に努め、職務に励むこと。
- 全身で喜びを表現する。
- 人をよい方向に教え導くこと
- 神仏へのお祈りや神聖な儀式の前に飲食や行動を慎み、水で髪や体を洗い心身を清めること。
- 人や物が入り乱れ、群がっている。
- 好き放題に思ったことを喋ること。
- 古いものを嫌って新しいものを好むこと。
- 自分の出過ぎた行いによって、他人の権限を侵す罪のこと。
・カンカ
磨揉…善を磨き短所を直すこと
遷革…よい方へ改めること
沐浴斎戒≒沐浴抒溷(もっこくじょこん)
沐浴…水で髪や体などを洗い、身を清めること。
斎戒…戒を守り心を清めること。
④-2 四字熟語の意味と読み
- 知識や才能がなく、全く役に立たない人。
- 地位が低いこと。
- 粗末な服装。
- 多勢が口にしていると、あり得ないことでも事実になってしまうこと。
- 詩境の超脱したさま。
↓↓↓↓
- こうし
- げきたく
- けいさい
- どうつい
- れいよう
♢羚羊挂角(れいようけいかく)
→痕跡を残さないこと、転じて詩境の超脱したさま。
♢行尸走肉(こうしそうにく)
→知識や才能がなく、存在していても全く役に立たない人のこと。
♢ 荊釵布裙(けいさいふくん)
→粗末な服装のこと。
♢万寿無疆(ばんじゅむきょう)
→健康で長生きすること。
♢附贅懸疣(ふぜいけんゆう)
→無用なもの、邪魔なもの。
♢明窓浄几(めいそうじょうき)
→ 明るくて綺麗で勉強に集中できる書斎のこと。
♢一里撓椎(いちりどうつい)
→多くの人が口にしていると、ありえないことでも事実になってしまうこと。
♢抱関撃柝(ほうかんげきたく)調べること
→地位が低いこと。
⑤熟字訓・当て字
♢難易度☆☆☆☆
- ○山梔子…くちなし
- 草石蚕…ちょろぎ
- 金翅雀…ひわ
- ○海鞘…ほや
- ☆守瓜…うりばえ(ウリハムシ、ウリ類の害虫)
- 山慈姑…あまな、(かたくり、さいはいらん)
- 竹根蛇…ひばかり
- ☆紫鰓魚…すずき
- ☆窃衣…やぶじらみ
- ☆帽額…もこう(御簾や御帳などの上部に装飾のために横に張る幕)
・クチナシ…山梔子、梔子、梔、桅(範囲外)
・ヒワ…鶸、金翅雀
・ホヤ…海鞘、老海鼠
慈姑…くわい
山慈姑…あまな、かたくり、さいはいらん
漢検の辞典には「あまな」のみ。
さいはいらんは生薬としての名、カタクリは北海道の名付け親、松浦武四郎のアイヌの文化について記した本にカタクリのルビがあるとのことです。
「あまな」のみで特に支障は無いでしょう。
・スズキ…鱸、盧魚、紫鰓魚、松江魚
また鱸子で「セイゴ」である。
・やぶじらみ…セリ科の二年草。藪蝨、窃衣と書くが虫では無い。
⑥熟語の読み・訓読み
♢難易度☆☆☆
全て過去問です。
- 粥獄…いくごく
- 粥ぐ…ひさ(ぐ)
- 説懌…えつえき(痼りが取れて喜ぶ。)
- 懌ぶ…よろこ(ぶ)
- 躋攀…せいはん(よじ登る。)
- 躋る…のぼ(る)
- 勁章…けいしょう
- 勁い…つよ(い)
- 肄業…いぎょう
- 肄う…なら(う)
⑦対義語・類義語
♢難易度☆☆☆
- 離床⇄(就褥)〇
- 杳窕⇄(咫尺)
- 直諫⇄(侫諂)
- 織女⇄(牽牛)〇
- 鸞鳳⇄(鴟梟)☆
- 遊行=(飛錫)☆
- 乾坤=(覆載)
- 巨擘=(翹楚)
- 従犯=(幇助・幫助)
- 尺翰=(簡牘)
かんとく/ぎょうそ/けんぎゅう/
しきょう/しせき/しゅうじょく/
ねいてん/ひしゃく/ふうさい/ほうじょ
・リショウ
- 離床…寝床を離れること。
- 離礁…暗礁に乗り上げていた船が、暗礁から離れて浮かぶこと。⇄膠砂、
- 里称・俚称…世間やその地域で呼び習わしていること。
- 利生…[仏]仏神が人々を救済し、悟りに導くこと。祈念などに応じて利益を与えること。「利生方便」
・シュウジョク
- 就褥…床を取って寝る、病床に就くこと。
- 羞辱…辱めること。類:恥辱、詬罵、詬詈(こうり)、凌(陵)侮、凌(陵)虐など
詬…コウ、ク、はじ、はずかし-める、ののし-る、そし-る
・ヨウチョウ
- 杳窕…遥かに遠いさま。
- 窈窕…美しく、淑やかなさま。類:嫋娜、
- 膺懲…敵や悪者を打ち懲らしめること。
- 羊腸…②羊の腸のように道などの幾重にも折れ曲がっていること。
- 妖兆…怪しい前兆、不思議な兆し。
- 拗長音…キャー・キュー・キョーなどの現代仮名遣いで「きゃあ・きゅう・きょう」のように表記される音。
膺懲・羊腸が過去に出題されました。
語選択、対義語類義語としても出題しやすそうなものが多く、確実に抑えておきたいです。
・咫尺
a,咫尺千里…極近い距離も見方や考え方で、非常に遠く感じられること。
b,咫尺を弁ぜず…暗くて近くの物も見分けがつかない。
○オマケ
・支石墓…弥生時代に北九州で行われた墳墓の形式。埋葬の際に甕棺(かめかん)を埋めた物が多い。
甕棺を書けるようにしておきたい。
・直諫…相手の権力・地位に遠慮せず、率直に相手を諫めること。
・侫諂…相手に阿り諂うこと。諂侫。類:阿諛、侫諛など
a,阿る(おもね)…気に入られようとする。
b,侫する(ねい)…口先だけで機嫌をとる、諂う。
c,媚びる(こ)…気に入られるように振る舞う。
d,諂・諛う(へつら)…お世辞を言ったりして、気に入られるように振る舞う。
e,侫奸・侫姦…侫するのは上手いが、心は拗ネジけていて正しくないこと、侫人、侫臣。奸侫。
f,侫言…諂う為の心の無い言葉。
・鸞鳳
①想像上の鳥、中国で幸運の象徴。
②優れた人物や君子の例え。
③固く契った夫婦や同士の例え。
・シキョウ
- 鴟梟…①フクロウ、中国で不吉の象徴。⇄鸞鳳 ②奸悪な人物。
- 鷙強…荒々しく強いこと。⇄怯懦?
- 指教…指し示して教えること。
鴟…ふくろう、とび
鷙…(猛禽の意)あらどり、あら-い
・遊行(ゆぎょう)
僧が諸国を遍歴して説法教化すること。また飛錫ともいう。「遊行聖(ゆぎょうひじり)」、遊歴。
・飛錫(ひしゃく)
僧が修行の旅をすること、行脚、雲水、虚無僧(こむそう)、普化僧(ふかそう)、回国、巡錫。
○特に優れた人物を指す言葉(常時追加予定)
a,巨擘(きょはく)…大勢の中で特に優れて目立つ人物。
b,翹楚(ぎょうそ)…大勢の中で飛び抜けて優れている。
c,超邁(ちょうまい)…他より遥かに優れている。超凡、超絶。
d,卓犖(たくらく)…他より抜きん出て優れている。卓抜、卓越など。
e,出色(しゅっしょく)…他より一段と優れている。
f,傑出(けっしゅつ)…多くのものの中で飛び抜けて優れている。屈指、逸出、圧倒など。
g,不世出(ふせいしゅつ)…滅多に世に現れない程優れている。
・幫助…①力を添えて助けること
②他人の違法な行為の実行を助ける行為「自殺──罪」
去年(2017年)にありましたね、Twitterで自殺の手助けをすると声を掛けて、計9名を殺害した悍ましい事件が。
・簡牘…手紙のこと。類:尺牘、書疏、尺翰など
⑧故事・ことわざ
♢難易度☆☆☆☆
・尭舜の子に聖人なし
→尭帝や舜帝の子に聖人は産まれない、子が必ずしも親に似ないことの例え。
・釣りして綱せず、弋して宿を射ず
→何事も節度を弁えよという戒め。
・炊臼の夢
妻に先立たれる夢。
また、妻に先立たれること。
・庸医性命を司る
その職業に堪えられないものが任に付いている例え。
今後も諺で4文字出題が出るようなら念のため覚えておきたい。
・喪家の狗
→元気のない人。
喪中の家では犬は餌を貰えず痩せ衰えることから。
・鷹鳩変ぜず
そのものが持つ本性は隠しようがないたとえ
・疾行には善迹無し
急いでしたことには良い結果が伴わない。
・郷愿は徳の賊
道徳家を装うと、かえって徳を損なってしまうということ。
・部婁には松柏無し
偉大な人物は、身分に合わぬつまらぬ場所にはいない。
・神奇卓異は至人にあらず
不思議なことや普通でないことを行うのは、道徳を極めた人間ではない。
⑨文章問題
♢難易度☆☆
湖の沿岸と山に囲まれた路をずっと奥へ奥へ歩いていくと、随分奥地に入った所に a,彎入(わんにゅう) した岸と急峻な山に挟まれた、 ①静邃(せいすい) な ②邑落(ゆうらく) がある。
それはまるで b,諾威(ノルウェー) の ③峡江(きょうこう) のようである。
この地は他では民家の周りに石垣を巡らせており、他ではなかなか見ることのできないこと独特な異景を見ることが出来る。
港湾が近く、防波堤を越えてきた波を防ぐ役割をしているそうだ。
窓から村人の様子を c,覘望(てんぼう) すると、短い桟橋の上で衣類を d,雪ぐ(すす) 女性の姿が見える。
今は紅葉の時季で e,絳(あか) が燦然と耀く景色を眺望できるが、もう少しすると豪雪に見舞われ、これまた風情のある f,瞻望(せんぼう) することができる。
g,爨婦(さんぷ) が私の好みを ④揣摩(しま) して用意した、温かい柚子入りの鴨蕎麦と、稚鮎と ⑤諸子(モロコ) の天麩羅の味を、この ⑥勝概(しょうがい) が更に滋味深いものにしてくれる。
私は雲のように囚われず、 h,翛然(ゆうぜん) と i,流離って(さすら-って) いたが、 j,駐箚(ちゅうさつ) された訳でもないのにこの地に長逗留を決め込んでいる。
美しいものを見ると、何でもない私の筆でさえ、 ⑦氷甌(ひょうおう) のように輝いて見え、意欲も湧いてくる。
普段は ⑧繁蕪(はんぶ) な文を書いてしまう私も、ただ景色に対して率直な感想を綴るだけでいいので、 ⑨刪潤(さんじゅん) する必要もない程、見事な ⑩簇錦(そうきん) たる詩文が次々と湧出してくる。
○意味
・静邃(せいすい)
もの静かで奥深い?
・邑落
村里。
・諾威(ノルウェー)
北ヨーロッパ、スカンディナビア半島の西半分を占める国。
首都はオスロ。
the Beatlesの曲(もといそれを題材にした村上春樹さんの著書)「ノルウェイの森」も有名ですね。
・峡江(きょうこう、フィヨルド)
フィヨルドのこと。
意外と難問かもしれない。
・覘望(てんぼう)
遠くから様子を窺うこと。
・爨婦(さんぷ)
飯を作る人。
・揣摩(しま)
あれこれと推し量って推量すること。「揣摩憶測」
・諸子
淡水魚、ホンモロコは琵琶湖特産(だった)。
美味。
・勝概
素晴らしい景色。
・氷甌雪椀(ひょうおうせつわん)
滑らかで上品な文具のこと。
今回は氷甌だけで出題、そういう意味になるのかは不明←
・繁蕪(はんぶ)
①雑草などが生い茂っていること。
②文章などのくだくだしいこと。
・刪潤(さんじゅん)
詩文の悪い部分や不要な部分を削り、足りない所を補うこと。≒推敲、刪修、刪定
刪る…けず-る(書物の文字や文章を添削する。)
刪ぶ…えら-ぶ
・簇錦(そうきん)
美しい文章のたとえ。
以上です。
何か間違いなどあればご指摘下さるとありがたいですm(_ _)m
これ難しかった、何点取れたなどの報告も是非。