漢検一級模擬試験(鬼)の答え
♢難易度★★★★★
※ルール無視問題のオンパレードですm(_ _)m
答えです。
リピーター組が120点ぐらいしか採れない!を目的に頑張って作りました←
書き、当て字、対義語・類義語、諺が特に難しいと思います。
+αの難問対策ということで。
①読み(1~20は音読み、21~35は訓読み)
- 烋として譲らぬ。…コウ(後述)
- 妝梳…ソウショ(化粧をする、化粧。)
- 楞厳教…リョウゴンキョウ(仏教の一派)
- 金漆…ゴンゼツ(当て字読みの場合はコシアブラ)
- 椹酒…ジンシュ(桑の実で醸した酒)
- 阡眠…センベン(①野原に立って、遥か遠くを見つめる ②草木が生い茂った様)
- 藺石…リンセキ(城の上から石を敵に投げ落とす、またその石)
- 匚…ホウ(箱、訓読み→はこ)
- 熨帖…ウッチョウ(中国語としての意味①適切である②気持ちが安らかである)
- 春鶯囀一具…シュンノウデン、シュンノウテン(後述)
- 殷紅…アンコウ(黒ずんだ殷アカ色、赤の意の場合は「アン」と読む。)
- 鮠…ガイ(コイ科の淡水魚、はや、はえ)
- 毳衲…ゼイドウ(毛織りの僧侶)
- 尉繚子の著…ウツリョウシ(②24編からなる兵法書 ①戦国時代の兵法家)
- 暹羅…センラ(シャム、タイ王国の旧称)
- 麕至…クンシ(群がってやってくること、麕→①「キン」のろじか ②「クン」群がる)
- 崇廈…シュウカ(高く大きな建物)
- 鬼薊…キケイ(おにあざみ)
- 瑩貝…ヨウガイ(紙や布を擦って光沢を出すための貝殻、漢検辞典には「エイ」しか記載されていない。瑩ヨウず…貝で磨いて光沢を出す。)
- 重較説郛…チョウコウセップ(中国の叢書、明鈔本説郛と重較説郛の二系統を指す。おまけ 郛→フ、くるわ。)
- 写く…のぞ-く
- 潘…しろみず(米のとぎ汁。)
- 猯…まみ(貒とも、アナグマ、またタヌキの別称)
- 績苧…うみお(紡いだ麻糸。)
- 釁られし…ちぬ-られし(血塗る)
- 樒…じんこう(「しきみ」→樒、梻はモクレン科の常緑小高木である。)
- 愎りて…もと-りて(人の言葉に片意地を張って背く、人の言うことを聞かない。)
- 穡れる…とりい-れる(物を取り入れる、穀物を収穫する。)
- 磧…かわら(河原、さばく[砂漠]とも読むので注意。)
- 誄…しのびごと(いのりごとは可?死者の生前の功徳を讃える言葉、誄詞ルイシ)
- 驃…しらかげ(白鹿毛、驃騎ヒョウキは将軍の名称、驃いツヨ、驃しいイサマ)
- 綣ろ…ねんご-ろ
- 扎えし…かま-えし
- 銷え…き-え(消える、他には「溶ける(かす)・尽きる(くす)・損なう・散る」等の読みがある。)
- 趁む…ゆきなや-む(お-う、おもむ-く、ゆきなや-む 音読みのチンは熟語無し、中国語の接続詞として使うらしい。)
・烋(コウ、キュウ、さいわ-い)
①コウ→誇る、驕り昂る。
②キュウ→やわらぐ。幸い、めでたい。
烋として~という表現が正しいのかは不明です(T_T)
だって熟語も例文も一切載ってないんだもん(;_;)
【妝】ソウ、ショウ、よそお-う
音読みの読み方に決まりは無さそう?
・紅妝→コウソウ、コウショウ両方の記載有り
・妝梳→ソウショのみ、ショウショが正解かは不明(ソウソでは無い注意)
・妝幺→ショウヨウ(作り話をする。)
妝梳がショウショでも正解ならば、化粧関連はソウ、ショウ
作るという意はショウのみかもしれない。
すみませんわかりません(;_;)
公開した時は莅職(職に就く)でしたが変更しましたm(_ _)m
・楞(リョウ、ロウ、かど、かどば-る)
一級範囲外ではあるが「棱」と同じ、セットで覚えておくと音読みは出てきやすい筈。
かどば-るは覚えておきたい。
・椹
①あてぎ→チン「椹質」(首切り台、転じて刑罰。また矢の的。)
②くわのみ→ジン「椹酒」
③さわら→国訓、弱檜や花粕もさわらと読む。
◇一文字で出てきて厄介そうな魚編の漢字
鮠→ガイ
鯀→コン
・春鶯囀
日本の雅楽の楽曲。曲は「遊声」「序」「颯踏」「入破 (じゅは) 」「鳥声 (てっしょう) 」「急声 (きっしょう) 」の6楽章から成る大規模な曲で,舞いがあり,全て演奏する場合のみ一具が付く。
「鶯囀」ならオウデン、オウテン。
一部の辞書にはシュンオウテンと書いてあるが、雅楽の楽曲としては「鶯」をノウと読むのが正しいと思われる。情報求む(T_T)
・崇(スウ、シュウ、あが-める、たか-い、たっと-ぶ、とうと-ぶ、お-わる)
・祟(スイ、たた-る)
高いの意の場合は「シュウ」?
情を陶タノしみ憂いを写ノゾく →陶写
・潘…ハン、しろみず、うずまき(渦巻き)
②書き
♢難易度
1,アノク達池(あのくだっち)
→阿耨達池([梵]ヒマラヤの北にあるとされる想像上の池。金や銀などの四宝を岸とし、中にはアナバタプタという竜王が住み、その四方から流れる澄んだ水は、ガンジス川など四大河となって世界を潤すという。)
2,タンキョク
→丹棘(真心、忠義。)
3,ソウコ
→竈戸(中国で海塩の生産者を言う。)
4,サヒョウヨク
→左馮翊(かつて中国に存在した行政区画。)
5,カソ
→夏楚(鞭を打って教訓する、夏はひさぎ、楚は茨の意。)
6,スイク
→吹煦(息を吹きかけて、温度を下げたり上げたりすること。)
7,キョウジャク
→景迹(①人の行い。 ②推察すること。)
8,テキセイ
狄成→(楽曲の調子が速い様。)
9,ドリク
→孥戮(夫の罪により、妻子も罰すること。)
孥→つまこ
10,ゴコウセイ
→五侯鯖(非常な珍味、鯖は寄せ鍋の意。)
11,ヘイトウ
→弊竇(害のある点。)
12,トウレイ
→饕戻(貪り戻る。)
13,イレズミ
→黥(罪人の顔や腕に罪科を忘れぬよう墨を入れた刑罰。罪人の~とある為「入れ墨・刺青・文身」は×)
14,カイダルい
→腕弛い(疲れて怠い。)
15,カリモガリ
→殯(殯宮ヒンキュウ、本葬までに遺体を仮に納めて置いた場所。)
16,カシャタン
→火車站(駅のこと)
17,シチ
→差池(揃わない様、不揃い)
18,ヨウヨウ
→曄曄(赤々と輝く様)
→燁燁(光輝く様※一級範囲外)
19,ボウガン
→榜眼(進士の試験に二番目で合格すること。)
20,ソクショク
→趨織・促織(闘促織≒闘蛩トウキョウ、闘蟋蟀トウシッシュツ)
・阿耨観音(あのくかんのん)
三十三観音の一。
この観音を念ずれば、海難を免れるという。
・阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)
仏の悟り。
一切の心理を普く正しく知る仏の智慧。
なんだこれは………。
・饕
饕餮文(とうてつもん)が読みで出題されました。
他にも「饕餮仙(とうてつせん)」という三文字熟語があり、欲深い道士を嘲っていう語らしいです。
・殯→ヒン、かりもがり
殯(かりもがり)…死者を葬る前に、暫くの間遺体を棺に納めておくこと。
斂棺(れんかん)…亡骸を棺におさめること。「斂棺の儀」
殯宮、殯、斂棺全てしっかり覚えておきたい。
○没問題
ギジャ崛山(くっせん)☆
→霊鷲山(インドのビハール地方ラージギルの東北にある山。釈迦が法華経などを説いた地として有名。)
②-2 同音異義語
1,巫医(巫女と医者、医者のこと)
2,黼衣(斧の模様を縫い取り[繡、綉]した礼服)
3,陰燐(鬼火)
4,淫霖・陰霖(三日以上続く雨、基礎問題)
5,隠淪(世を逃れ隠れること)
・フイ
「布衣」は庶民の意、ホイと読めば別の意になる。
②-3 ミニ文章題
北の国の皇太子は、幼少期から殿試に望むべく、立場に傲らず日々a,サイショウ(焠掌)し、見事鼈頭となりても桂林の一枝に過ぎぬと謙遜せり。王は甚く感激す。
時は過ぎ、b,タクシウ(濯枝雨)が田を潤す頃、皇太子が突如c,ホウサイ(泡斎)となりて、無辜の民をd,ホウカイ(烹醢)す。
暴れた後、自らの腹に槍を刺しそのままe,キョウフ(僵仆)せり。
a,焠掌…努力を惜しまぬこと
鼈頭≒状元(科挙・殿試の主席)
b,濯枝雨…陰暦6月頃に降る大雨
c,泡斎…錯乱した人
d,烹醢…惨たらしく殺すこと
e,僵仆≒殪仆エイフ
③語選択
- 天子の死。→陟方
- 土産物を差し出し臣下になること。→致贄
- 顔の形の醜いこと。→戚施
- 心を傾け諂うこと。→閃楡
- 盛りが過ぎて寂しくなる様。→闌珊
こんりょう/せきし/せんゆ/そくしゅう/ちし/ちょくほう/らんさん/りんぎょ
袞竜…竜の刺繍のある天子の衣装
戚施せきし…②顔の形の醜いこと。
閃楡せんゆ…心を傾け諂うこと。
束脩そくしゅう…致贄のフェイク
致贄ちし…土産物を差し出し臣下になること
陟方…天子の死、崩御。
闌珊らんさん…盛りが過ぎて寂しくなる様
臨馭・臨御りんぎょ…天子の位に付いて天下を治める。
④四字熟語
♢難易度
- 子建(八斗)
- 閻浮(檀金)
- 被堅(執鋭)
- 浮花(浪蕊)
- 彫虫(篆刻)
- (談天)雕竜
- (孫康)映雪
- (伊尹)負鼎
- (樹下)石上
- (重熙)累洽
いいん/しつえい/じゅげ/そんこう/だごん/
だんてん/ちょうき/てんこく/はっと/ろうずい
- 天下の才能が一石いっこくあるとすれば、曹植の詩才は一人で八斗を有するという意。蒙求の一句。
- 質の良い金。
- 完全武装すること。
- 何の取り柄も無く平凡な様。
- 取るに足らない小細工。篆刻(木や石などの印材に文字を彫ること。)
- 文章や弁論が立派で壮大なこと。
- 苦労して勉学に励む例え、蒙求の一句。
- 大きな望みのために、卑しい身分に落ちること。
- 出家行脚の境遇の例え。
- 天子の徳が積み重なって、恩恵が遍く行き渡ること。
④-2 四字熟語の読み
- 人民の苦労の酷いこと。→ほうぎょ
- 物事を正確に理解すること。→こうけん
- 自身の信念を堅く貫くこと。→とうかい
- 自身の失敗や負けを認めないこと。→そうせき
- 絶えず変化する世の中。→たいび
◇黄絹幼婦(こうけんようふ)
→①二人の判断が完全に同じになる。
②物事を正確に理解する。
③絶妙の隠語。
◇魴魚赬尾(ほうぎょていび)
→人民の苦労の酷いこと。
◇含英咀華(がんえいしょか)
→文章の良い部分を味わって、それを理解して身につけること。
◇瓶墜簪折(へいついしんせつ)
→男女が離れて二度と会い得ないたとえ。
◇波流弟靡(はりゅうたいび)
→絶えず変化する世の中、またしっかりとした考えが無く世の中に流されること。
◇仲連蹈海(ちゅうれんとうかい)
→自身の信念を堅く貫くこと。
「蹈海」は海に飛び込んで死ぬこと。
◇孫楚漱石(そんそそうせき)
→自身の失敗や負けを認めようとしないこと。
◇曲突徙薪(きょくとつししん)
→未然に災害を防ぐこと。
⑤熟字訓・当て字
♢難易度
- 地猴…いたち(鼠狼、黄鼠狼、また鼬の毛で作った筆は「狼毫ロウゴウ」という。)
- 銀弦魚…きびなご
- 石松…ひかげのかずら
- 錫蘭…セイロン、セーロン(インド洋にある大きな島。蘭が付く国名や地名は多い→烏克蘭ウクライナ、和蘭陀オランダなど)
- 番木鼈…マチン(フジウツギ科の落葉高木、種子に毒性の強いアルカロイドのストリキニーネを含む。)
- 仙人帽…きぬがさだけ(中国料理で重宝される。)
- 檐不帰…タバコ
- 紡織娘…くつわむし(≒聒聒児)
- 省沽油…みつばうつぎ
- 粘葉装…でっちょうそう(和本の綴じの一つ。)
- 鳧葵…あさざ(ハナジュンサイ、範囲外の漢字で荇、莕、荇菜、莕菜とも書く)
- 君府…コンスタンチノープル(イスタンブールの旧名。)
- 天鼠矢…くすね(松脂に油を加え、熱して練ったもの。)
- 加答児→カタル(内臓の粘膜が爛れる病気。)
- 麻葉繍毬→こでまり
⑥熟語の読み・訓読み
- 矜式…きょうしょく(慎んで手本とする)
- 矜む…つつし(む)
- 罔両…もうりょう(①薄い影 ②拠り所とするものが罔い ③魍魎)
- 罔い…な(い)
- 浹日…しょうじつ(一日)
- 浹る…めぐ(る)
- 羽葆…うほう(舞踊の舞い手が手に持ち翳して振り回すもの、羽葆幡ウホウトウ、翟葆テキホウ)
- 葆り…はねかざ(り)
- 荐臻…せんしん(災いなどが後から頻りに起こる。)
- 臻い…おお(い)
【矜】
①あわ-れむ「矜育・矜哀・矜恤・矜恕・矜救・矜愍」
②つつし-む「矜厳・矜式・矜荘・矜勉・矜奮」
③ほこ-る 「矜持(恃)・矜貴・矜負・矜大・矜邁・矜競・矜肆・矜泰」
【罔】
①な-い「罔両」「罔極の恩(極まりの無い父母の大恩)」
②し-いる「誣罔」
③くら-い「罔然」
④あみ「罔罟」
漢検辞典に載っている訓読みのみ。
最初に公開した時は
剏造(そうぞう)-剏める(はじ-める)
でしたが、安直すぎて悶々としたのでこちらに変更しましたm(_ _)m
⑦対義語・類義語
♢難易度
- 斗量⇄(圭撮)
- 饗餐⇄(蔔匏)
- 整列⇄(汨陳)
- 縵面⇄(形)
- 欣幸⇄(陽九)
- 鶏林≒(鰈域)
- 玄駒≒(槐安王)
- 養子≒(螟蛉)
- 聖善≒(万石媼)
- 君主≒(可汗)
かいあんおう/かかん/かた/こっちん/けいさつ/ちょういき/ばんせきおう/ふくほう/めいれい/ようきゅう
・斗量…枡で計ること、分量の多いことの例え。
・圭撮…非常に少ない分量、圭勺。
→圭勺…①ごく僅かな量、些少。
②栄誉・栄達の意。
・蔔匏…大根と夕顔、転じて粗食のこと。
・汨陳(こっちん)…ごちゃごちゃ乱し並べる。
・縵面(なめ)…銭の裏側の、文字が無くて滑らかな面。
・陽九…災い。
・鶏林≒鰈域、鶏域、槿域
→朝鮮の別名。
・玄駒…①蟻の別名。
②小さい馬。
③黒い鯉の別名。
・槐安王…蟻の別名、槐安国で蟻の国の都
→槐安の夢≒南柯の夢(夢の意、故事)
・螟蛉
①アオムシ。
②養子→蜾蠃(から、ジガバチ)がアオムシの子を負って自分の子とすることから。
・可汗
⑧故事・ことわざ
♢難易度
・潦草責めを塞ぐろうそう
いい加減なことを書いて責任を免れる。
「潦草」は投げやりでそそっかしいな様。
・季札剣を挂くきさつ
「蒙求」の標題。
信義を重んじることのたとえ。
・堅白同異の弁
こじつけ
・蘭摧玉折と為るも蕭敷艾栄と作らずしょうふがいえい
意味:何の取り柄もなく漠然と生きるよりは、潔く死ぬ方が本望であるたとえ
・藐姑射の山ハコヤ
①中国で不老不死の仙人が住んでるとされた想像上の山
②平安期、上皇の御所を祝って呼んだ。
・槃持が愚痴も文殊の知恵はんどく
仏の前にあっては知者も愚者も同じであり、愚者も修行をすれば知者と同じように悟りを得るということ。
・鬢糸茶烟(煙)の感びんしさえん
若い頃遊びに耽った者が、老いて淡白な生活に余勢を送ること。
・薑桂の性きょうけい
年老いてますます気性が強いこと。
・天篷魚缸石榴樹せきりゅうじゅ
どれもみな同じで代わり映えがしない
・孫登の嘯き
嘯く声が優れていること。
世俗を離れて心を澄ます例え。
皆さんは何点取れましたか?
コメント待ってます(´`)