漢検一級本番形式テスト②
①読み(1~20は音読み、21~30は訓読み)
(30)1×30
♢難易度☆☆☆☆
- 樵が木を伐採する音が 丁丁 と響く。
-
冕旒 が風で靡く。
- 獲物を 虔劉 する。
- 飽食する者もいれば、 殍餓 する者もいる。
- 雨宿りで空の 茆茨 に入った。
- 体力作り目的でこんな 嶇嶔 な山に挑むべきではなかった。
- 怖いモノでも見たのか、彼は 輒然 として動かなくなった。
- 仕事で 県廳 に赴いた。
- 丕基 柔ざれば、統治ならず。
- 実りの季節に向けて 犁鋤 に精を出す。
- 百花の中に於いてさらに 俶儻 なり。
- 大逵 を抜けて小路へ入る。
- 客に頼まれ、海辺の 薛 を摘む。
- 鱏鰉 の卵をキャビアと言う。
- 梟啼き、 髫齔 も泣きじゃくる。
- アロマを焚くと気分が 廱和 する。
- 檀家の前で 頌偈 を唱える。
- 外部からの情報を完全に 壅塞 する。
- 朏 の淡さに耽る。
- 帝王を落とすは 鴆毒 のみ。
- 鉄の切断に 鏨 を用いる。
- 微恙が 痞え 、食事が喉を通らない。
- ここは 合決り で接ぎ合わせよう。
- 榻 の上に軛を載せる。
- かくれんぼで 籬 の裏に隠れる。
- 其の詠は 泯び を悲しんでいる。
- 天を見下すには 潴 を覗けばよい。
- 糶市 で大きな蟹を買った。
- 艀船 に荷物を積み込む。
- 被災者を 恤え 動ける女性だ。
・オマケ
簋 に果物を盛る。
範囲外で没にした問題です。
②書き(19,20は国字)
(40)2×20
難易度☆☆☆☆☆
- サゾかし お疲れでしょう。
- 霧で ヤマヒダ が包まれる。
- ケイセイ の美女に唆される。
- 親戚が イトン の富に甘えて日々豪遊している。
- 昭和の労働環境は、結果として ヨウ を作ったと言われても仕方ない。
- 試合ができず、なんとも ギヨウ に堪えない思いだ。
- 雨も止んだので傘を スボめる 。
- ボイコットも効果が無く レンベイ 辞職を決行した。
- 中国の キビ 政策について習う。
- サクサンシ の織物は中国の名産品だ。
- ベキボウ を取った顔は痛痛しくて見ていられなかった。
- 仏堂の美しい ドウバン に心惹かれた。
- 敵の一掃に リュウサンダン を用いる。
- サンマリノは世界でも珍しい イニョウチ である。
- 鯉の コクショウ 煮を食べる。
- 戦で犠牲になった コクショウ 達を弔う。
- キュウコウ 実践で結果を知る。
- 骨董品を キュウコウ にしまう。
- 将来は伝統的な カザリ 職に就きたい。
- 東日本の湿地帯を ヤチ と呼ぶ。
③選択
(10)2×5
難易度☆☆☆☆
- 鳥が舞い上がり、舞い降りること
- 雑念や煩悩のこと
- 涙がほろほろと零れる様
- 微かな利益
- 秘密を明らかにする手がかり
シュル/ケッコウ/チンリン/ヨウトウ/
リョウショウ/ヒヤク/ランジャ/ハンサ
④四字熟語
(20)2×10
♢難易度☆☆☆☆
- ( )釜魚
- ( )致誠
- ( )花街
- ( )汀蘭
- ( )枯柴
- 得隴( )
- 韜光( )
- 衆賢( )
- 詩人( )
- 珠襦( )
ボウショク/ソウジン/ボウジョ/
ゼイコツ/カイセキ/ソウテキ/ギョッコウ/
ガンシ/ガンアイ/リュウハク
・オマケ;(没問題、四字熟語として範囲外?)
( )明珠
( )綿々
孤臣( )
ヨクイ/カテツ/ゲツシ
④-2 四字熟語の意味と読み(太字部分を読む)
(10)2×5
♢難易度☆☆
- 私情を挟まず、公正に政治を行うこと
- 友人を手厚くもてなすこと
- 聞き手を圧倒する鋭い弁論を話せること
- 飾り気が無く慎ましいこと
- 貧しい生活をしながらも勉学に励むこと
蔾杖韋帯
断薺画粥
喙長三尺
孔翊絶書
蓽門閨竇
優游涵泳
鋒芒逼人
冒雨剪韮
⑤熟字訓・当て字
(10)1×10
♢難易度☆☆☆☆☆
- 繡眼児
- 竜蝨
- 氷下魚
- 牛尾菜
- 地楡
- 百両金
- 巫鳥
- 尸童
- 匹如身
- 御佩刀
⑥熟語の読み・訓読み
(10)1×10
難易度☆☆☆
- 釐正…( )
- 釐める…( )
- 瀏亮…( )
- 瀏い…( )
- 秋杪…( )
- 杪わり…( )
- 燮理…( )
- 燮げる…( )
- 莅事…( )
- 莅む…( )
⑦対義語・類義語
(20)2×10
♢難易度☆☆☆☆☆
- 有識⇄( )
- 酣酔⇄( )
- 隠蔽⇄( )
- 宿老⇄( )
- 衰勢⇄( )
- 慈母=( )
- 宿痾=( )
- 伏竜=( )
- 九天=( )
- 物故=( )
テッケツ/エンカン/コウフン/
コシツ/イケン/カンレイ/トウテン/
ケンドウ/ショウカン/ビクン
⑧故事・ことわざ
(20)2×10
♢難易度☆☆☆☆
- リュウメ の躓き。
- ソウリン 実ちて囹圄空し。
- シャショク 墟となる。
- ロヨウ の戈。
- 紅は ソノウ に植えても隠れなし。
- ゴトベイ ために腰を折る。
- ソウユ 且に迫らんとす。
- 明は以て秋毫の末を察するに足れども而もヨシンを見ず。
- 様に依りて コロ を画く。
- ユウチュウ に日を窺う。
⑨文章問題(自主制作、長くなってしまいました;)
(20)2×10 書き
(10)1×10 読み
♢難易度☆☆☆☆☆
私が住む小島は漁業が盛んで、見渡す限り (a) 蜑戸 と漁夫の家が並び、村の男は成人すると殆どの者が海に纏わる仕事に就く。
私もその例に洩れず、 (b) 漁翁 (熟字訓読み)である父と同じ海人になった。
ある日、いつもと同じように(c) 枹 でできた竿立てに掛けてある銛を持ち海へ出ると、ふと、海の前で佇立してしまった。
倦怠感が有るわけでも無いのだが、異常に体が重いのだ。
手を見ると、何やら白いものが粉葺いている。まさか ① ケジラミ かと一瞬心配したが、どうも違う。
暫くすると、(d) 怦怦 としながらも次第に体が海を求めるようになったので、獲物を漁りに赴いた。
この海は年中通して温暖で、色彩豊かな魚と珊瑚礁が常に彩っていて、不漁に憂えることは無い。
また魚や(e) 贇 たる貝類、鮑など饗膳に用いるような珍味も多く、旅客は珍しい② イカン と食事を楽しみにこの地を訪れる。
貝を採るのは海女が専念するという習わしがあり、代わりに男衆は魚や甲殻類の大物を狙う。
特にアオブダイの大物は島神への重要な③ ヘイハク とされる為、獲った暁には、神饌を捧げた者として盛大に持て囃され、一年中食に困ることがない。
今日は体調が優れてなさそうなので、特に大物を狙わずに伊勢海老などの高級な食材に狙いを絞ることにした。
少し泳いでみるが伊勢海老は見つからず、代わりに小ぶりの(f) 虎魚 を見つけたので、忍びながら近付き銛を構えようとすると、銛はするりと落下してしまった。
しまったと目線を掌に向けると、 私の手が溶けている、否、散り散りになっている。
手が塩のような粗目状の粒か、粟のような何か分からぬものになって海の中で分解されているのだ。
ふと、視線に気付く。
④ シャコ が此方を炯眼越しに睨んでいる、彼は海人にとって忌避すべき存在で、その巨螯に⑤ チョウチャク されれば人間の骨であろうと容赦なく⑥ ラリ 骨灰にされる。
逃げなくては、と意識だけが先に進んで体は一向に動かない、彼は私を甚く惆悵しているようで、「仲間を何処にやった。」だとか恨み言を呟きながら、じりじりと間を詰めてきた。
私の心臓は⑦ キョウゼン とし、この時初めて明確に野生の生物に対して畏怖し、神に祈った。
私が「狩られる側」に回る日のことなど想像もしていなかった。
渾身の一撃が私を穿った時、正体を理解した。
塩──、違う、これはプランクトンだ。夥しい数のプランクトンが私の細胞一つ一つを蝕んで掌打の衝撃と共に体は霧散する、不思議と痛みは無い。軽くまとまりの無い体は沖へ向かう海流と共に流され沈んでいく。
急に流れが強くなる、怒濤の勢いで下っていく、辺りはすっかり夜になってしまった。
母なる者は私から体を奪うだけでは足りぬようで、微光すらも届かぬ場所に⑧ ルイセツ したいようだ。どうも甚く嫌われてしまった。
何もできぬ儘、杳とした世界に雪として降り注ぐ、花火のように薄れながら儚く沈んでいく。
途中大きな口をした漆黒の鱧のように長い生物に食われて、また私の体は小さくなった。そのような生物に次々に食われるものだから、(g) 淤泥 が積まれた底につく頃には随分と数が減ってしまった。
疲れて伏せていると、掃除屋達がばらけた私の一粟を(h) 鬯 の如く有り難がって(i) 酳ぎ、お疲れ様と囁いてくるものだから、私の咎が俄に融解されて⑨ ショウジョウ 心が胸を満たしていく。
泥の(j) 牀榻 に横たわりながら、「また巡るよ」と呟いて、束の間の⑩ エンソク に浸り、軈て大いなる棺の中で私は世界に融けていった。
※文章の一部を訂正しました。
以上です、如何だったでしょうか。
最高難易度ということでかなり難しくしてみました。
リピーター向けなので1級合格目指してる方は出来なくても落ち込まないで下さいね;(最近はめちゃくちゃ難しいようですがね…;)
文章題、長くなって申し訳ないです。
長いだけあって難しい問題になったように思います。
初見で何点取れたとか
ここ問題・解答間違えてるよとか
別解あるよとか
これ難しかったとか
何かあれば解答の方か、私のTwitterにコメント下さい~
♢解答
↓
http://futamiasuka.hatenadiary.jp/entry/2018/02/08/171614
↓
@sanasana_gumi
良い漢字ライフを。