漢検1級本番形式テスト①の解答
テスト①の解答です。
〇は絶対に外したくない問題
☆は難易度が高い問題です。
①読み(1~20は音読み、21~30は訓読み)
- 〇東瀛→とうえい(東の海)
- 翕然→きゅうぜん(1つの場所に集まる様)
- 耆婆→ぎば
- 酒盞→しゅさん(盃)
- ☆隆準→りゅうせつ(高い鼻筋)
- 旆旌→はいせい(大きな旗)
- 夷狄→いてき(野蛮人、外国人への蔑称)
- 鑾壑→らんがく(山と谷)
- 赫曦→かくぎ(強い日差し)
- ☆白朮→びゃくじゅつ(漢方の名)
- 〇蟋蟀→しっしゅつ(コオロギ)
- ☆肉豆蔲→にくずく(植物の名)※1級範囲外
- 耿耿→こうこう(明るく照らす様)
- 影合→ようごう(神や仏が仮の姿で人々の眼前に現れること)
- 鞭笞→べんち(皮の鞭と竹の鞭)
- 尨然→ぼうぜん(むくむくと大きくなる様)
- 褫奪→ちだつ(官位を剥奪される)
- 〇櫛比→しっぴ(櫛のように均一に並んでいる)
- 瓔珞→ようらく(珠玉や貴金属に糸を通した装身具)
- ☆兀子→ごし、ごっし(長方形の板に四本の脚を付けた腰掛け)
- 窖→あなぐら
- 枢戸→くるるど(※調べた方が分かり易いです。)
- 蹼→みずかき
- ☆螭→みずち(※1級範囲外、通常は蛟)
- 姚し→うつく
- 絎縫い→くけぬ(縫い目が見えない縫い方)
- 〇空嘯き→そらうそぶ
- 煦める→あたた
- ☆櫪→かいばおけ(馬などの餌の葉を入れておく桶)
- ☆隰→さわ
- 補足
・耆婆扁鵲→世にも稀な名医
・酒盞の類義語→玉巵(ぎょくし)、玉[酒]觴(ぎょくしょう、しゅしょう)、大白(たいはく)、金[銀]盃(きんぱい、ぎんぱい)など
・肉豆蔲→配当外のようです、失礼しました。(※コメントより)
・兀子→兀兀でゴツゴツ、コツコツ、兀者でゴッシャと読む
ゴツ(ゴ)と読むのはその3つのみ(多分)
他は全てコツと読む(突兀など)
また、兀るであしきると読むらしい(1級範囲外?)
・美しい→姚、姸(妍)、婉、娥、媚などは[うつくしい]と読む、1級範囲内の女編の漢字に[〇し]と書いてあれば[うつく]以外の読みがない(筆者調べ)ことを覚えておくと便利。
②書き(19.20は国字)
1,トウショ
→島嶼、島渚(大きな島や小さな島)
2,〇ケイケン
→敬虔(神仏などを深く敬い慎む様)
3,キツガイ
→乞骸(辞職を願い出る)
4,〇ケイレン
→痙攣
5,コウチョウ
→腔腸(準1級の漢字)
6,モツれ
→縺れ
7,モヤう
→舫う(補足で説明します。)
8,ヒシャげる
→拉げる(:拉致の拉です)
9,コクド金
→国帑金(国家の財産)
10, 〇シンキロウ
→蜃気楼
11,☆ショウテン
→小篆(問題文の通り、小篆と大篆を併せて篆書という)
12,コウソウ
→鴻爪(補足で説明します。)
13,☆シシンデン
→紫宸殿
14,キュウ
→笈を負う(勉学などの為に故郷を出る)
15,セイキ
→腥気(なまぐさい気)
16,☆セイキ
→星期(婚礼の日取り)
17,カイコウ
→開闔(※開閤となっていました、失礼しました。)
18,☆カイコウ
→恢弘(遺人の意志を進め広げること)
19,スサ
→苆
20,センチグラム
→甅
- 補足
・モヤう→舫う(船と船を繋ぎ合わせる、停泊する)
→催合う、最合う(共同で物事を行う)
・コウソウ→鴻爪(跡形の残らないこと)
→倥偬(忙しいこと「兵馬倥偬」)
→訌争(内輪揉め、内訌)
→降霜(霜が降りること)
→荒草(荒れて乱れた草「荒草萋萋」)
→咬創(噛まれた傷)
→鏗鏘・鑛鏘(玉や鐘などの鳴り響く様)
→高燥(土地が高く、湿気が少ない)
・セイキ→青旗(中国で酒場の印に建てた青い旗)
→凄気(凄まじい気配)
→旌旗(旗、軍旗)
→精騎(選りすぐりの騎兵)
③語選択 書き取り
- 言葉や文章が淀みなく出てくること
- 女性の優れた品格
- 詩や文章を正しく改めること
- ぼんやりとしてはっきりとしない様
- 事が思うように進まないこと
キョセツ/マンサン/カンカ/イキ
イトク/セイレン/ヨウチョウ/ザンテイ
↓↓↓
- 鋸屑
- 懿徳☆
- 竄定
- 依稀
- 轗軻
〇残りの例
・ 蹣跚(ふらふらとすること)
・杳窕(遥かに遠い様)
・清廉(心が清らかで、私欲の無いこと)
④(一)四字熟語
- (樗礫)散材
- (博施)済衆
- (杜鵑)啼血
- (温凊)定省
- (狐凭)鼠伏☆
- 夜雨(対牀)
- 雲壌(月鼈)
- 亮遺(巾幗)☆
- 区聞(陬見)
- 文恬(武嬉)
ゲツベツ/コヒョウ/スウケン/
キンカク/オンセイ/ブキ/チョレキ/
トケツ/ハクシ/タイショウ
○簡単な意味を解説
1,使えないもの、頼りにならない人
2,広く恩恵を施し、苦しみから救う
3,とても苦しむこと
4,親に孝養を尽くす心掛け(扇沈温衾など)
5,物陰に隠れ潜む
6,兄弟の親しいこと
7,月と鼈に同じ
8,女々しい仕草などを辱めること
9,学問や知識の幅が狭く偏っている
10,世の中が平和に治まっていること
※5の(璇璣)玉衡は範囲外なので変更しました。
※10の暴戻(恣睢)は範囲外なので変更しました。
④-2 四字熟語(1~5に当てはまる四字熟語の太字部分の読み)
- だいとう☆(高牙大纛)
- かんさく(枯魚銜索)
- しゅうし(螽斯詵詵)
- ふうい(馮異大樹)
- うく☆(翼覆嫗煦)
・寸草春暉→親の愛を応えようとしても深すぎて到底応えることはできない
・苛斂誅求→税金や年貢を手加減せずに、厳しく取り立てること
・関関雎鳩→夫婦の仲睦まじいこと、子孫が多いわけではないので、この場合は当てはまらない(暴戻恣睢とは似てるが別字である。)
⑤熟字訓・当て字
・アユは非常に読みが多いです
香魚、年魚、銀口魚、細鱗魚など
・かわげら
綺麗な川瀬に生息する小さな虫です。
幼虫は鰓を持ち水の中で、成虫は陸で生活するらしいです。
川螻蛄、𧐐とも書きます。
※「襀」が1級範囲外の字のようです。
⑥熟語の読み・訓読み(熟語の音読みと熟語に相応しい訓読み)
- 慊焉…(けんえん)
- 慊りない…(あきた)
- 覬覦…(きゆ)
- 覬む…(のぞ)
- 苟偸…(こうとう)
- 偸む…(ぬす)
- 薨去…(こうきょ)
- 薨る…(みまか)☆
- 鬯浹…(ちょうしょう)☆
- 浹し…(あまね)
- 補足
・慊焉…①満足に思う ②不満に思う
・覬覦…身分不相応なことを伺い狙うこと
→窺窬…隙を伺い狙うこと
同音異義語として書きで出題の可能性有り?
・偸→盗に殆ど同じである。
・薨る→身罷る(みまか)に同じで「死ぬこと」
・鬯浹→伸びてあまねく行き渡ること
鬯びる…の-びる
浹し…あまね-し情報感謝しますm(_ _)m
⑦対義語・類義語(1~5は対義語、6~10は類義語を選べ)
- 順調⇄(蜷局)
- 蒿里⇄(薤露)☆
- 冷淡⇄(狎昵)☆
- 開戦⇄(洗兵)
- 大廈⇄(蝸廬)
- 添削=(斧鉞・鈇鉞)〇
- 稟質=(天錫)
- 恬然=(逸宕)
- 智辯=(暁知・暁智)
- 勝敗=(贏輸)☆
ふえつ/えいしゅ/かろ/ぎょうち/
けんきょく/かいろ/てんしゃく/こうじつ/
せんぺい/いっとう
〇蜷局→とぐろとも読む、進行が滞ること
〇蒿里→庶民の葬式でうたう挽歌
〇薤露→王族、貴人の葬式でうたう挽歌
〇狎昵→馴れ親しむこと
〇大廈→大きく豪華な家(廈は家の意)
〇蝸廬→蝸牛の殻、転じて小さな家。類:茅屋など
〇稟質→天から与えられし才能。類:天錫、天賦など
〇逸宕→あっさりとしていて、執着しない性格。類:飄然、開豁、闊達、跌宕、磊落、洒然など
○智辯→悟りの境地に達する。類:暁知、蝉蛻、解脱など
〇贏輸→勝ち負け
・天錫→天から授かったもの
・天爵→天から授かった徳
めちゃくちゃ似ていますね、どっちでも通りそうな気もします。
同音異義語として出題の可能性有り。
⑧故事・ことわざ
- ☆懐甎の俗
- ☆窈窕たる淑女は寤寐にこれを求む
- 〇琥珀は腐芥を取らず
- 〇鷸蚌の争い
- 薫蕕は器を同じくせず
- 〇琴瑟相和す
- 〇綸言汗の如し
- 空谷の跫音
- 船盗人を徒歩で追う
- ☆大は棟梁と為し、小は榱桷と為す
・懐甎の俗…乱れて人情の無い風俗(Twitter情報)
・窈窕…美しく淑やかな様
・寤寐…目覚めている時と寝ている時
・薫蕕…立派な人と身分の低い人、善と悪
・綸言…天子の言葉
⑨文章問題(※自主制作の文章題です。語尾や文法などはそれっぽくしただけです、御容赦下さい。)
林道中途にて俄に ① 天霧りけり。次第に視界は白染とし、此の時期の ☆(a) 霾翳(ばいえい) の影響も有り前方は杳然たり。手探りで前進を試みるも ② 節榑立つ 藪に遮られ(b) 妝い(よそお) は ③ 襤褸・襤 になりけり。漸く煩わしい 〇(c) 枳棘(ききょく) を抜けると、突如馥郁たる香りが漂い、眼前に広がるは柔らかな彩りの ④ 翠繞 珠囲たる園に唯唯仰天するばかり。
呆気から覚め視線を回すと、咲き溢れんばかりの ☆(d) 浮薔(みずあおい) や百合が微笑し、風に靡き耀く 〇(e) 嫰葉(どんよう、わかば) 、この情景はまさに (f) 瓊葩(けいは) 綉葉なり。
更に彩るは瑠璃蝶や (g) 天蚕(やままゆ) の ⑤ 嫋娜 な舞。
その中に於いて尚特異を感ずるは、☆⑥ 湛碧 たる湖の中央に侘しく佇む幽玄な朽木なり。
えも言えぬ妖気を佩びて、私の注目を一点に集めると、眩くばかりの光が 〇⑦ 蝟集 し光の珠が具象せし。
中から現るは、朽木を (h) 憑代(よりしろ)とし世俗に隠棲す、⑧ 霓裳 纏いし蛾眉たる天女、姮蛾と思わしきその御姿の妖しさに恍然とす。
嫣然たる紅唇から馨しき色を帯びた木霊を発し、私を朽木の下へ誘う。
天女に言われるが儘、朽木に手を触れると、俄に (i) 蝉蛻(せんぜい) の境地に至り。
天女曰く、新たな地祇を永きに渡り宿望し続けり。
故に我が身を欲す、私は浩然の気を持って其の思いに応えり。
幾度となく⑨ 裘葛を易う頃には、⑩ 白髯の仙人となり、濁世へ戻ることは非ず。
何れ朽ちて私もまた神木と化し、天女の(j) 閨閤(けいこう)になるのみ。
- 補足
・天霧る…雲や霧がかかり、空が曇る
・霾翳→土煙や黄砂により陰って見えること
・霾る…つちけむ
・翠繞珠囲…周囲が美しいものに満ちている、また美人に囲まれている
・瓊葩綉葉…玉の様に美しい花と葉
・湛碧…深い青緑
・裘葛を易う…1年が過ぎる
・閨閤…②女性の寝室
文章題は桃源郷イメージです
テストの方にも書いてますが、古典の教養皆無なので雰囲気だけで書いてます、意味の伝わらない箇所などは目を瞑るかご指摘下されば幸いです(_ _)
また誤字など見つけたらコメント下さるとありがたいです……。
目安として難問を全て落として、他を全て正解で154点ぐらいのライン設定なのでそこそこの難易度だとは思います。
難問か否かは自分の主観なので、実際は簡単かもしれないですし、いやいやめちゃくちゃムズいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんのであくまで1つの参考にして下さい。
また意見などあればどんどんコメントして下さい。
次のテストは☆☆☆☆☆(最高難易度)で作ってみようと思います。
マイペースに制作していきますので、漢検本番までの勉強及び暇潰しテスト代わりにでもなれば幸いです。
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